質問: "another two days" とは、どういう意味ですか? 文法的に間違っているのでは?
回答: 「もう2日、さらに2日」という意味です。
すでに何かの期間に(明示的または黙示的に)言及しているときに、最初に言及した期間に加えて「もう2日」と言いたいときに使われるのが "another two days" です。詳しくは以下をご覧ください。
1.「another + 複数形」は正しくない表現
「another + 単数名詞」が基本
"another" は単数の名詞と共に使うのが基本です。 例えば、"another apple" という使い方は正しいですが、"another apples" は正しくありません。
そもそも、"another" は "other" に不定冠詞の "an" が付いた言葉ですから、複数の名詞に使うのはおかしいのです。
「another + 複数形」になる理由
ところが "another two days" では、複数の名詞である "two days" に "another" が使われています。
その理由は不明ですが、恐らく次のような理屈でしょう:
"another two days" では "two days" を例えば「1ダース(a dozen)」と同じように1つの単位として扱うので "another" と併用できる。
2. "another two days" は単数? 複数?
"another two days" というフレーズは複数としても単数としても扱われます。
単数名詞にしか付かない "another" が複数名詞に付くという矛盾のために、"another two days" は単数として扱われたり複数として扱われたりするのでしょう。
複数扱いの例
動詞が "were" や "are" である点に注目です。「1日(one day)+もう1日(another day)」で「2日」。 その「2日」を前提として「もう2日」です。
最後の部分は原文の英語の質が良くないので意訳です。単数扱いの例
動詞や助動詞が "is" や "has" である点に注目です。3.「another + two days」の使われ方
既出の "two days" を踏まえた表現であるはず
先述の仮説によれば、"another two days" という表現は次のステップで生まれたと考えられます:
- "a (one) set of two days" というイメージがまず存在する。 2日で1セット(1つの単位)。
- "a (one)" と対比される概念としての "another" を用いる(*) "another set of two days" という表現が生じる。
- "set of" が省略された "another two days" が生まれる。
つまり "two days" が前もって一度使われているはず
であるからには、当初に言及される日数は「2日(two days)」に限られるはずです。 当初に言及する日数が例えば "three days" だと、「2日」というセット(単位)が一度も登場していないのに「2日をもう1セット」という言い方をすることになります。
それは例えば、10ccの計量スプーンが1本あるときに、5ccの計量スプーンを持ち出してきて「もう1本の5cc計量スプーン」と言い出すのと同様におかしなことです。 「もう1本の5cc計量スプーン」という言い方は、すでにその場に5cc計量スプーンが存在している場合にふさわしい。
"two days + another two days" の用例
次の3つの例文では、"another two days" の前にまず "two days" が用いられています。それなのに...
ところがネットで用例を調べると、"another two days" が使われる前に出現する期間が "two days" とは限りません。
three days + another two days
six days + another two days
混在
次の例文では、"another two days" を使う前に "two days" と "four days" という2つの期間に言及しています。その他のケースも
例文は記載しませんが、具体的な期間を持ち出さずに、いきなり "another two days" が使われるケースや、当初に登場する期間の単位が "days" でなく "a week" などであるケースも珍しくありません。
結論
"another two days" は「"another" の前提としての "one"」という理屈などお構いなしに、日本語の「もう/さらに/あと2日」と同じように自由な使われ方をします。