質問:「ベンジャミン」とは、どういう意味ですか?
回答:「ベンジャミン」は、もともとは人名です。 詳しくは以下をご覧ください。
目次
1. 英語に戻すと
「ベンジャミン」を英語に戻すと "Benjamin" あるいは "benjamin" です。
2. "B(b)enjamin" の意味
2.1. カタカナ語と英語に共通する意味
- 人名 ・・・ 男性のファーストネームとして用いられる。 文中でも "Benjamin" と大文字で始まる。
- 地名 ・・・ "Benjamin" と呼ばれる場所がいくつかある。 文中でも "Benjamin" と大文字で始まる。
- 観葉植物 ・・・ 学名は "Ficus benjamina"。 原産地はアジアとオーストラリア。 自然環境下では高さ30mにまで成長する。
2.2. 英語だけの意味
英語の "B(b)enjamin" には上記の他に次のような意味もあります。
- 俗語で、「米国の100ドル札」。 このお札の肖像画が米国の建国に貢献したベンジャミン・フランクリン(1706~1790年)だから。
- 「安息香」を意味する "benzoin" の俗称。 安息香とは Styrax 属の樹木から採れる樹脂。 香水やお香に用いられる。「安息香」は「安息香酸」と呼ばれる化学物質とは別物。
- 「アンソクコウノキ」と呼ばれる樹木。 学名は "Styrax benzoin"。 インドネシア原産。 この木から安息香が採れる。
- "Lindera benzoin" という学名の植物(和名は不明)。 北米原産の低木。 茎や葉を潰すと柑橘系のごとき芳香が漂う。
- 南の息子(南で生まれた息子)
- 右/右手/右側の息子(幸運の息子)(2)
- (ヤコブが)年を取ってから生まれた息子
- ヘブライ語「בִּנְיָמִין(Bīnyāmīn)」
- 古代ギリシャ語「Βενιαμίν(Beniāmī́n)」
- 古代ラテン語 "Benjamin"
- 英語やフランス語などの "Benjamin"
- 「安息香」を意味する "benzoin" あるいは、植物の「ベンジャミン(Styrax benzoin)」の影響(1)。
- "Ficus benjamina" と同じイチジク属(Ficus)の樹木 "banyan"(学名: Ficus benghalensis(2))にちなんだ。(3)
3. 「ベンジャミン」の語源
3.1. 人名の "Benjamin"
"Benjamin" という人名の由来は、旧約聖書の登場人物「ヤコブ」の子供「ベニヤミン」です(13人の子供の最後の1人)。
「ベニヤミン」はヘブライ語で「בִּנְיָמִין(Bīnyāmīn)」と綴(つづ)られます。
3.1.1. 「בִּנְיָמִין」に込められた意味
人名 "Benjamin" の語源たるヘブライ語「בִּנְיָמִין」に備わる意味は見解が定まっておらず(1)、次の3つの説があります:
(1) ヘブライ語 "Bīnyāmīn" の前半部分 "Bīn-" が「息子」という意味なのは確実ですが、後半部分 "-yāmīn" の意味に関して見解が定まっていません。 ヤコブ視点での名前という点では共通しています。
(2)「右手」を「幸運」の意味に理解するのは、「右」が「左」に対して吉兆だと言われていたから。3.1.2. ヘブライ語 → 英語までの道のり
次の通りです:
3.2. もともと "benzoin" だった "benjamin"
「安息香(benzoin)」やアンソクコウノキ(Styrax benzoin)が "benjamin" と呼ばれるようになったのは、"benzoin" の音の響きが人名の "Benjamin" に似るためとされます。
「"Benjamin" に引っ張られて "benzoin" が "benjamin" と呼ばれるようになったのでは?」ということ。
3.3. 観葉植物「ベンジャミン」
観葉植物「ベンジャミン(Ficus benjamina)」の "benjamina" の由来は2つの説があります:
(1) どういう影響かは不明。
(2) "benghalensis" は「(インドの)ベンガル地方の」という意味。 Ficus benghalensis はインド原産。
(3) 通称の "banyan(バンヤン)" と学名の "benghalensis(ベンガレンシス)" のどちらにちなんだのかは不明。 両方?