質問: "another ten years" とは、どういう意味ですか?
回答: 「もう10年間、さらに10年間」という意味です。
すでに何かの年数(期間)に言及しているときに、最初に言及した年数に加えて「もう10年間」と言うのが "another ten years" です。
詳しくは以下をご覧ください。
1.「another + 単数名詞」が基本
"another" は単数の名詞と共に使われるので、"another year" なら問題ありませんが "another years" は文法的に正しくありません。
"another" は「an + other」です。 この "an" は不定冠詞の "an" ですから、"another" を複数形の名詞に使うのは、"an apples" と言うのと同じぐらいおかしなことです。
2.「another + 複数形」になる理由
それなのにどうして、"another ten years" では複数の名詞 "ten years" に "another" が使われるのでしょうか?
それは、"ten years" を「1ダース(a dozen)」のような単位とみなし、その単位1つ(すなわち単数)に対して "another" を適用するからだと考えられます。
"another set of ten years" が省略されたのが "another ten years" と理解して問題ありません。
another ten years = another decade
英語には「10年」を意味する "decade" という名詞があります。 "decade" は単数扱いの可算名詞で、中身は複数ですが単数の名詞として扱われます(*)。 "decade" は複数の名詞 "ten years" を1つのパッケージにまとめて単数の名詞として扱うわけです。"decade" は "another" を付けて "another decade(もう10年)" に出来ます。 "another ten years" は "another decade" の "decade" を "ten years" に置き換えた表現だと考えれば良いでしょう。
3. "another ten years" は複数扱い? それとも単数扱い?
単数名詞にしか付かない "another" が複数名詞に付くという矛盾のために、"another ten years" は単数として扱われたり複数として扱われたりするのでしょう。