「ファラウェイ」の2つの意味を教えて!

質問:「ファラウェイ」とは、どういう意味ですか?

回答:「ファラウェイ」に対応する英語は2つあります。 次の2つです:

  1. far away ・・・ 遠く離れて(副詞)
  2. faraway ・・・ 遠く離れた(形容詞)

詳しくは以下をご覧ください。

1. 使い方

"far away" と "faraway" の違いとして重要なのは、「2語か1語か」よりも「副詞か形容詞か」です。

「副詞か形容詞か」を意識しつつ、次で "far away" と "faraway" の使い方を見てゆきましょう。

1.1. 副詞 "far away"

副詞(*)の "far away" は「遠く離れて」などと訳します。
(*) 厳密には「副詞」。 複数の語("far" と "away")が集まって1つの「副詞」として働くので。
副詞 "far away" の用例は次の通り:
She lives far away from her mother.
彼女は彼女の母親から遠く離れて住んでいる。

1.2. 形容詞 "faraway"

形容詞の "faraway" は名詞を修飾します。

例えば次:
a faraway country
遠く離れた
形容詞 "faraway" が名詞 "country" を修飾しています。

形容詞には「叙述用法」と呼ばれる使い方もありますが、"faraway" は名詞を直接修飾する「限定用法」でしか使われない形容詞なので、上記の説明で十分です。

叙述用法」とは例えば "The apple is green." の "green" です。「"faraway" が叙述用法では使われない」とは、"The country is faraway." などの使い方をしないということ。

比喩的な意味

"faraway" には「心が遠くに離れている」という意味から転じた「心ここにあらずの、ぼんやりした、上の空の」という意味もあります。
a faraway expression
心ここにあらずな表情

2. 言葉の成り立ち

2.1. 副詞 "far away"

"far" と "away" を組み合わせたのが副詞句 "far away" です。

"far" と "away" の意味は次の通り:

  • far ・・・「遠く、遠くに」を意味する副詞(*)
  • away ・・・「離れて」を意味する副詞
(*)「遠い」という形容詞としての意味もあるが、"far away" の "far" は副詞。 副詞(away)を修飾するのは副詞。

副詞である「遠くに(far)」と同じく副詞である「離れて(away)」を合わせた「遠くに離れて(far away)」が1つの副詞(副詞句)として働きます。

慣用句ではない

"far away" は「慣用的な表現」ですが「慣用句(成句、熟語)」ではありません。

"far" と "away" を組み合わせて「遠く離れて」の意味で頻繁に用いる "far away" は、誰もが見慣れているフレーズなので「慣用的」です。

でも、"far away" の意味は "far" と "away" の意味の単純な足し算。 "far" と "away" が備えないプラスアルファの意味が "far away" に生じはしません。 なので、"far away" は「慣用句」ではありません。

例えば、"far away" と同じ副詞句の "here and there" は慣用句です。 "here and there" の逐語訳は「こことそこに」。 でも慣用句 "here and there" の意味は「あちこちに」。「こことそこに」と「あちこちに」はイコールではありません。 "here" と "there" の組み合わせにプラスアルファの意味が生じています。

"here and there" は辞書に載っていますが、"far away" は載っていません。 副詞句 "far away" の意味を理解するのに "far" と "away" それぞれの意味を調べて足し合わせるだけで事足りるからです。

2.2. 形容詞 "faraway"

本来は副詞である "far away" が形容詞として用いられるようになったのが "faraway" です。

形容詞として用いられるようになった当初、"far away" は "far-away" とハイフンで繋がれ1語と見なされました。 やがてハイフンが取れて "faraway" と完全な1語になりました。

どうして1語に?

副詞句 "far away" が形容詞では "faraway" と1語になったのは、"a far away country" などの表記が英語的に「おかしい」と感じられるからです。 修飾対象である名詞(country)の手前に複数の修飾語(far away)が置かれるのを英語は嫌がります(*)

ゆえに、"a far-away country" とハイフンを入れて "far" と "away" を1語として扱うようになり、いつしかそのハイフンも失われ "a faraway country" となりました。
(*) 名詞の後ろなら複数の修飾語句が置かれるのを嫌がらないので、名詞の後ろに置かれる場合は2語に分かれる "far away" が形容詞として使われ得る。(例. something far away 何か遠くの物)

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