デスティネーション リゾート/ホテル/ウェディング... の意味は?

「デスティネーション」について

「デスティネーション(destination)」は「目的地」という意味の名詞です。

ですが、このページに登場する「デスティネーション」は全て形容詞です(*)
(*) 例えば "destination wedding" で "destination" は名詞である "wedding" を修飾しているので形容詞です。 他の5つも同様。

形容詞「デスティネーション」の意味

Longman という辞書は、"destination hotel" および "destination resort" 両方の説明として次のように記載しています:
a place to stay that is the reason for visiting a country or area because it is special or provides many services or activities
どこかの国や地域を訪れる理由となる滞在場所。 そのような理由が生じるのは、その場所が特別であったり多くのサービスや活動を提供していたりするから。
この説明から、形容詞の "destination" は「それ自体に目的地となるだけの価値がある~、それ目的でわざわざ出かけるような~」という意味だと推察されます。

形容詞としての "destination" の意味を単独で載せている辞書は見当たりません。 "destination hotel" や "destination store" という具合に名詞と組み合わせた形でしか載っていません。

したがって、形容詞としての "destination" の意味は、このように推察するしかありません。

「デスティネーション~」の意味

上述の形容詞としての「デスティネーション」の意味を踏まえて、次の6つの言葉の意味を見てゆきましょう。

  1. デスティネーション・ウェディング(destination wedding)
  2. デスティネーション・ホテル(destination hotel)
  3. デスティネーション・レストラン(destination restaurant)
  4. デスティネーション・リゾート(destination resort)
  5. デスティネーション・ストア(destination store)
  6. デスティネーション・サイト(destination site)

1. 「デスティネーション・ウェディング」

「デスティネーション・ウェディング」は、結婚式の参加者一同の海外旅行を兼ねた結婚式です。 海外旅行の目的地となるような場所に結婚式の参加者一同が集まり、そこで結婚式を行います。

結婚式抜きでも当該の場所への移動&滞在が「海外旅行」という娯楽として成立するような結婚式が「デスティネーション・ウェディング」です。

どの辞書を見ても「(目的地は)外国」とあるので、「デスティネーション・ウェディング」の行き先は常に海外でしょう。

2. 「デスティネーション・ホテル」

「デスティネーション・ホテル」は、それ自体が行楽の目的地となるようなホテルのことです。 「デスティネーション・ホテル」は「リゾート・ホテル」と同じ意味です。
目当てとなる行楽地(例. ディズニーランド)があって滞在するホテルと違って、「デスティネーション・ホテル」はホテルに滞在すること自体が娯楽たりえます。 「目的地」となるだけの価値があるホテルだから「デスティネーション・ホテル」なのです。

3. 「デスティネーション・レストラン」

Wikipedia によると「デスティネーション・レストラン」とは、「そこで食事したいがために、わざわざ遠くまで行くような、そんな飲食店」です。
「空腹になったときに行く近所の飲食店」とか「どこかの行楽地に行ったついでに利用する飲食店」ではなく、「その店で飲食したいがために、わざわざ遠隔地まで出かける飲食店」すなわち「目的地となるだけの価値がある飲食店」が「デスティネーション・レストラン」です。 卑近な例は「行列のできるラーメン屋さん」でしょうか。

4. 「デスティネーション・リゾート」

「デスティネーション・ホテル/ウェディング/レストラン」では、「デスティネーション」を「それ自体に目的地となるだけの価値がある~」という意味に理解できました。

しかし、「デスティネーション・リゾート」は違います。 私は思いました。 リゾート(*)自体に目的地となるだけの価値があるのだから、「デスティネーション・リゾート」という言い方はおかしい。
(*) 「リゾート」は英語で "resort"。 「余暇や娯楽を目的として訪れる場所」という意味。

そこで私は検索に励み、"Resort Definition & Classifications.." という論文(?)を見つけました。 この論文によると:

  • 本来のリゾートは「目的地となるだけの価値がある」ものを指すが、最近では(?)リゾートは4種類に分類され、"destination resort" を除く3種類は「目的地となるだけの価値」を十分に備えていない(*)
  • そして、そういう「リゾート未満のリゾート」と区別して「本来のリゾート(目的地となるだけの価値を有するリゾート)」を "destination resort" と呼ぶ。
したがって、"destination resort" の "destination" も「それ自体に目的地となるだけの価値がある~」の意味です。

(*) 例えばスキー場ビーチの近くにあるホテルや旅館は、行楽の主な目的はスキーや海水浴であり、そのホテルや旅館が旅行の目的ではありません。 そのホテルや旅館にも娯楽(卓球台とか温泉とか)はあるけれど、そのためだけに出向きはしません(例えば旅館で卓球するためだけに旅行に行きはしません)。

そういう意味で、「目的地となるだけの価値」を十分には備えていません。

5. 「デスティネーション・ストア」

「ストア(store)」は「お店」という意味です。

InfoBloom というサイトは、"destination store" を次のように説明しています:
A destination store is a retail operation that consumers find attractive for particular reasons and are therefore willing to make a special trip solely for the purpose of shopping at that location.
"destination store" とは、消費者が何らかの理由で魅力的と感じる小売業のこと。 魅力的と感じるがゆえに "destination store" で買い物するためだけに喜んで外出する。

説明文中の「何らかの理由」とは次のようなものでしょうか:

  • 百貨店やショッピング・センターのように色々な店があってウィンドウ・ショッピングだけでも楽しい。
  • フードコートが併設されてる。
  • 遊具やゲームコーナーがある。
  • 植物の植え込みが多くベンチが設置されているなどアメニティーが充実している。

ともあれ、「デスティネーション・ストア」の「デスティネーション」も「それ自体に目的地となるだけの価値がある~」の意味で使われているのだろうと思います。

Oxford Learner's
Oxford Learner's という辞書では「デスティネーション・ストア」を「ホテル」や「レストラン」に混じえて次のように説明しています。
destination hotel/store/restaurant, etc.
a hotel, store, etc. that people will make a special trip to visit
"destination hotel/store/restaurant" など
ホテルやなどであって、人々がそこを訪れるため殊更(ことさら)に出かけるところ

Oxford の情報の提示の仕方からも、「デスティネーション・ストア」の「デスティネーション」は「デスティネーション・ホテル/レストラン」と同じ意味であることが窺えます。

6. 「デスティネーション・サイト」

「デスティネーション・サイト」の「サイト」とは、Webサイトのことです。

Longman では、"destination site" を次のように説明しています。
a website that people often visit first because it has many links that take them to other websites (SYN portal)
(ネット利用時に)手始めに訪れることが多いサイト。 リンクがたくさんあって、他のサイトにいけるので。(同義語 ポータル)
「ポータル」とはポータル・サイトのことです。 Yahoo!のように検索したり、ニュースや天気予報を見たりできるのが「ポータル・サイト」です(そして「デスティネーション・サイト」です)。
「ポータル・サイト」の「ポータル」は、英語に戻すと "portal" で「門、入り口」という意味ですから、「目的地」を意味する "destination" とは逆の意味です。
Yahoo!のようなサイトを「デスティネーション・サイト」と呼ぶ理由は不明です。 「デスティネーション」の意味が変質して「定番の~」というような意味になっている(後述)のかもしれません。

「デスティネーション」の意味の変質?

「定番の~」

先述の「デスティネーション・ストア」について調べていたときに、富士通のサイトで次の説明を見かけました。
A destination store is the retail store that a person thinks of first when he or she wants to buy something.
「デスティネーション・ストア」とは、何かを買おうとするときまず最初に思い浮かべる小売店のことです。

この説明によるなら「デスティネーション」は「定番の~」というような意味です。 どう転んでも「それ自体に目的地となるだけの価値がある~」ではありません。

「デスティネーション・サイト」の訳語は「定番サイト」?

Cambridge という辞書に "destination site" の項があり、次のように定義しています:
a website that many people go to because it includes information about a subject and provides links to other websites relating to that subject
大勢の人が訪れるWebサイト。 そのように大勢が訪れる理由は、何かに関する情報があって、その情報を扱う他のWebサイトへのリンクもあるからというもの。

ほとんど何の説明にもなっていないボンヤリした定義ですが、この "destination site" の "destination" が 「それ自体に目的地となるだけの価値がある~」の意味でないのは明白です。

この "destination" は「定番の~」と訳せそうです。 何も言っていないに等しいボヤッとした定義なので、「定番の~」のと訳してしっくり来はしませんが、逆に言えば明確な矛盾点もありません。

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