「ゴッドファーザー」の意味は? マフィアとの関係は?

質問.:「ゴッドファーザー」の意味を教えて下さい。

回答.: 主に次の2つの意味があります:

  1. (キリスト教における)名付け親、後見人
  2. マフィアのボス、ドン

解説

「ゴッドファーザー」は "godfather" という英語をカタカナにした言葉で、この "godfather" に上記の意味があります。

ゴッドファーザーとは?

ゴッドファーザーとは、赤ん坊の洗礼に立ち会って、その赤ん坊を(キリスト教の教えに沿う)立派な人間に育てることを誓う男性のことです(*)
(*) 女性であれば「ゴッドマザー(godmother)」。 性別を区別しない呼称は「ゴッドペアレント(godparent)」。 "parent" は「親」という意味。

ゴッドペアレントの成り立ち

キリスト教で赤ん坊のうちに洗礼を行う慣習が始まった当初(2世紀ごろ)は、赤ん坊の両親がゴッドペアレント(ゴッドファーザー/ゴッドマザー)となっていました(*)が、やがて(9世紀までに)実の両親は赤ん坊の代理になれないことになり、両親以外の人がゴッドペアレントを務めるようになりました。
(*) 言葉を喋れない赤ん坊の代わりに信仰告白(confession of faith)を行う。

ゴッドペアレントの役割

ゴッドペアレントは実の親に準じる存在としてゴッドチャイルド(上記の説明における「赤ん坊」)の養育に携(たずさ)わり、実の両親が死亡したときなどには親代わりになったりもします。

どうしてマフィアのボスが「ゴッドファーザー」と呼ばれるの?

マフィアのボスが「ゴッドファーザー」と呼ばれるのは間違いありません。 複数の英語の辞書で、"godfather" の項に「マフィアのボス」あるいは「ドン(*)」というような意味を記載していますから。
(*) アルファベットで書くと "Don"。 イタリア語で男性に対する敬称として使われるが、英語では「マフィアのボス」という意味。

語源辞典によると、マフィアのボスが「ゴッドファーザー」と呼ばれるようになったのは 1963年からで、それが広まったのは『The Godfather』という小説がきっかけです。

小説『The Godfather』について

『The Godfather』は 1969年に発表された米国の小説です。 私の愛読書であり、1970年代に映画化もされました(日本でも『ゴッドファーザー』というタイトルで公開されました)。

『The Godfather』の主人公は(おそらく 1910年前後に)イタリアのシシリー島から米国に移民してきた Vito Corleone(*)と、その息子 Michael Corleone です。

(*) Vito の出身地がシシリー島の Corleone 村だったので、Vito 自身が自分の名字として "Corleone" を採用した。 作中ではこれを「ドンが示した数少ないセンチメンタリズムの1つ」と評している。
作中で「ゴッドファーザー」と呼ばれるのは Vito です。 Vito はコルレオーネ・ファミリー(1)と呼ばれる、ニューヨークで最も強力なマフィア組織(2)のボスです。

(1) 「~ファミリー(family)」は極道の「~一家」に相当する。

(2) ニューヨークの5大ファミリーの中で最も強力。 裁判官や政治家とのコネをコルレオーネ・ファミリーが独占してる。 物語の途中で弱体化するが、実はやっぱり強かったというオチ。
Vito Corleone が「ゴッドファーザー」と呼ばれるようになった理由は(作中で明示されてはいませんが)イタリア系移民のコミュニティーにおいて赤ん坊の名付け親(ゴッドファーザー)となるよう頼まれることが多かったからだと思われます。

この小説に登場するイタリア系移民のコミュニティーにおいて、名付け親となるように頼むのに、頼む相手(つまり Vito)の権威を認める、権威に服するというような意味があるように思われます。

小説『The Godfather』において、コルレオーネ・ファミリーとその影響力が及ぶイタリア系移民のコミュニティーは、1つの国家のような感じです。 米国という国家の中の小国家。 Vito Corleone はその小国家の国王というわけです。
『The Godfather』に見られる「名付け親」

『The Godfather』には、端々(はしばし)に「名付け親」が登場します:

  • Vito が Johnny(ハリウッドのスター)とその友人 Nino の名付け親。
  • 物語の最後のほうで、Vito の後を継ぎコルレオーネ・ファミリーのドンとなった Michael が「ゴッドファーザー」の名も継ぐ。 Michael は妹(Connie)の子供の名付け親になり、豪華なプレゼントを贈る。
  • Vito の妻が、葬儀屋の娘の名付け親(ゴッドマザー)。
  • コルレオーネ・ファミリーの幹部である Clemenza が、Vito の息子(*)の名付け親。
    (*) 3人いる息子のうちの誰だったかは忘れました。 Sonny か Michael。
  • 「人生はハード過ぎるので、実の親だけでは不十分。 ゴッドファーザー(名付け親)も必要だ」というような一文が作中のどこか(どこだったかな?)に出て来る。

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