質問:「マーシー」という英語の意味を教えて下さい。
回答:「慈悲」という意味です。
詳しくは以下をご覧ください。
目次
- 「マーシー」について詳しく
- 「マーシー」を含有する表現
1.「マーシー」について詳しく
1.1. 英語に戻すと
「マーシー」を英語に戻すと "mercy" です。
1.2. 詳しい意味
"mercy" の詳しい意味は「慈悲・情け・容赦・寛容」といったところ。 似たような言葉が並びますが微妙に意味が異なります。
1.2. "mercy" の用例
次は "mercy" の用例です。 全部で5つです。
She continued the punishment, although they begged for mercy.
彼女は、彼らが慈悲を乞うたにも関わらず、懲罰を継続した。
# "begged" は "beg" という動詞の過去形で、"beg" は「乞う、頼む」という意味。 "punishment" は「罰」という意味。
Have mercy on the poor and assist them if you can.
"mercy" には「感謝したくなるようなこと、ホッとするようなこと、助かったと思うようなこと」という意味もあります。「天の慈悲」という感じの意味です。
貧者に対し情けを持ち、できれば支援してあげなさい。
# "Have mercy..." と "assist them..." はそれぞれ命令文です。 その2つの命令文が "and" で接続されています。 "the poor" は「貧乏な人たち」という意味。
It was a mercy that no one was hurt.
誰も怪我をしなかったのは幸いだった。
His death was a mercy after weeks of pain.
"mercy" は許しを乞うときのセリフとしても使われます。
1週間の苦痛の後では、彼にとって死は慈悲であった。
# 彼は死ぬことで楽になれました。
She cried out, "mercy, mercy."
彼女は叫んだ。「お慈悲を、お慈悲を」
2.「マーシー」を含有する表現
2.1. ノーマーシー
「ノー・マーシ」を英語に戻すと "no mercy"。「慈悲がない、情け容赦がない」という意味です。
He showed no mercy to his enemies.
彼は彼のエネミーに慈悲を示さなかった。
# "enemies" は "enemy" の複数形。
They showed no mercy to their hostages.
彼らは人質に慈悲を示さなかった。
# "hostage" は「人質」という意味。
「ノーマーシ」というカタカナ語は見かけますが、それに対応する英語 "no mercy" は日本語の「無慈悲」と違って "no mercy" という慣用表現としては存在せず、上記の例文のように、文の自然な流れで "no" と "mercy" が続くことがあるだけです("some mercy" なんかと同じ扱い)。 "no mercy" という項目も辞書にはありません(下記の "mercy killing" なんかだと、"mercy killing" という項目がある)。
2.2. マーシーキリング
意味
「マーシーキリング」を英語に戻すと "mercy killing"。 意味は「慈悲として行われる殺し」です。 生きていても苦痛なだけの人や動物(*)を慈悲として殺すことが "mercy killing" です。
(*) 不治の病に苦しんでいるとか極めて高齢であるとかで、死んだほうがマシという状態の人。
"mercy killing" の意味は「安楽死」とだいたい同じですが、少しニュアンスが異なります。「安楽死」と違って "mercy killing" は、戦場でも行われます。
「安楽死」に対応する英語は、"euthanasia" です。 "euthanasia" は「ユーサネイジア」などと発音されます。
言葉の成り立ち
"killing as a mercy"(慈悲としての殺し)か何かの表現が簡略化されて、"mercy lilling" になったのでしょう。
"killing" は「殺す」を意味する動詞 "kill" の動名詞で、意味は「殺すこと」。
用例
安楽死と同じ意味
A mercy killing is the intentional ending of life of a person who is suffering from a terminal, painful illness.
マーシー・キリングとは、苦痛をもたらす末期的な病気に苦しむ人の命を意図的に終わらせることです。
# コーネル大学法学部による "mercy killing" の説明です。
ただし、"mercy killing" は「安楽死」と完全には同じ意味ではありません。 例えば、マンガや小説などで、戦場で大怪我を負い撤退も治療もできない状況にある傭兵仲間を殺す(*)シーンなんかがありますが、ああいうのも "mercy killing" です。
(*) 連れて行っても戦力にならないどころか足手まといだし、その場に放置しても敵になぶり殺しにされるだけなので。
次の2つの用例では "mercy killing" は「安楽死」の意味ではないでしょう:
安楽死と同じではなさそうな意味
Mercy killing is also illegal on the battlefield.
戦場においてもマーシー・キリングは違法だ。
安楽死とは違う意味
...the victorious soldiers had to decide what to do with there defeated opponents – either offer them "mercy" and take them as prisoners, or give them a "mercy killing".
...勝利した兵士たちは敗北した敵方の扱いを決めなくてはならなかった ― 「慈悲」を与えるか、捕虜にするか、あるいは「慈悲なる死(マーシー・キリング)」を与えるか。
# この "mercy killing" は「処刑」の意味でしょう。