質問:「ロビンソン」という人名は、どういう意味ですか。
回答:「ロビンの息子」という意味です。 それより先の意味は、以下をご覧ください。
目次
1. 英語に戻すと
「ロビンソン」を英語に戻すと "Robinson" です。
2. "Robinson" の詳細
2.1. "Robinson" の成り立ち
"Robinson" は "Robin" と "son" から成ります:
- Robin ・・・「ロビン」というファーストネーム(下の名前)。 男性にも女性にも用いられる。
- son ・・・「息子」を意味する名詞。
上記から、"Robinson" で「ロビンの息子」です。
2.2. "Robinson" は姓と名どちら?
"Robinson" は本来は姓(名字、ファミリーネーム)ですが、男性向けの個人名(ファーストネーム)としても用いられます。名字の例
サイモン&ガーファンクルの曲に『ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)』がありますが、この "Robinson" は名字です。
"Robinson" が名字だから、意味的には男性(ロビンの息子)であっても、「ミセス・ロビンソン(ロビンソン夫人)」という具合に女性を指し示す言葉として用いられます。
個人名の例
1719年に出版された漂流小説『ロビンソン・クルーソー』の「ロビンソン」はファーストネーム(下の名前)です。 「ロビンソン・クルーソー」で「クルーソー家のロビンソン君」です。
2.3. "Robinson" の経緯
「ロビンの息子」というと家族ではなく個人を指しそうですが、"Robinson" は本来は個人名(ファーストネーム)だったのが名字になったと考えられます。
この辺りの流れをイメージしてみました:
- ロビン(Robin)という人物が息子を「ロビンソン(Robinson)」と命名する。(個人名としての「ロビンソン」の成立)
- ロビンの息子であるロビンソンくんが大人になり、結婚して子供ができる。
- 折しもこの時代に人々が名字を持つようになったので、ロビンソンくんの子供(すなわちロビンの孫)は、父親(すなわちロビンソンくん)のファーストネームを名字として採用した。(名字としての「ロビンソン」の成立)
3. "Robin" の由来
"Robinson" に含まれる "Robin" の由来とされるのは次の2つです:
- 古フランス語の人名 "Robert" が変化した男性名
- "robin" と呼ばれる小鳥(コマドリ)に由来する名前(男女どちらにも使われる)
3.1. 古フランス語 "Robert" の語源
古フランス語 "Robert" の最終的な語源は「輝く栄誉」を意味するゲルマン祖語 "Hrōþiberhtaz" です。
この "Hrōþiberhtaz" から古ドイツ語を経て古フランス語 "Robert" が成立しました("Robert" が英語に入ったのは中世時代)。3.2. 小鳥の "robin" の語源
「コマドリ」を意味する "robin" は "robin redbreast(赤胸のロビン)" の略称です(*)。そして、"Robin Redbreast" の "robin" の由来は... 人名の "Robin" です。
したがって、上記「3. "Robin" の由来」に記載した2つの由来は結局、どちらも古フランス語 "Robert"(さらに言えばゲルマン祖語 "Hrōþiberhtaz")です。(*) もともと単に "redbreast" と呼ばれていた鳥の名に(16世紀ごろに)"robin" が付け加えられた。 "red breast(赤い胸)" と呼ばれるのは、この鳥の胸の辺りが赤いから。
"robin" と付け加えられた理由は、音の響き(なんとなく好ましい、口にしたときに調子が良い)だと言われる。3.3. "Robin" の由来のまとめ
言葉が発生した順序をまとめると次の通り:
①Hrōþiberhtaz → ②Robert → ③男性向けの個人名「Robin」→ ④小鳥の名前「Robin」→ ⑤男女共用の個人名「Robin」