質問:「スカーレット」とは、どういう意味ですか?
回答:「スカーレット」は色の名前または人名です。 色名と人名とで英語の綴(つづ)りが異なります。 詳しくは以下をご覧ください。
1. 色の名前「スカーレット」
色の名前「スカーレット」を英語に戻すと "scarlet"。
"scarlet" はオレンジ色がかった赤色です。 次に示す通り:
"scarlet" の和名は「緋色」、カラーコードは「FF2400」です。
色名の "scarlet" は形容詞としても用いられ、「緋色の」や「性的に不道徳な」を意味します。
2. 人名「スカーレット」
人名「スカーレット」の元の英語は "Scarlett" または "Scarlet"(まれに "Scarlette" も)です。
2.1. "Scarlett"
"Scarlett" は元々は名字としてのみ使われましたが、やがて女性の個人名(ファーストネーム)としても使われるようになりました。
『風と共に去りぬ』の主人公の名前「スカーレット」は、この "Scarlett" です。 彼女のフルネームは "Scarlett O'Hara" なので、名字ではなく個人名です。
2.2. "Scarlet" と "Scarlette"
どちらも個人名として用いられます。 名字としては用いられません。
3. 語源
3.1. 布地 → 色名
色の名前としての "scarlet" の語源は、「緋色の布」を意味するアラブ語「سِقِلَّات(siqillāt)」だと考えられています。
このアラブ語からペルシャ語「سقرلات(saqerlât)」次いでラテン語 "scarlatum"、そして古フランス語「escarlate」を経て、13世紀までに英語の色名 "scarlet" が成立しました。
3.2. 色名 → 人名
人名 "Scarlett" は、色名の "scarlet" から生まれました。
人名 "Scarlett" は元は職業名で「緋色の布地の業者」や「布地を緋色に染める職人」を意味しました。(*) その職業名が名字に転じました。
(*) ですが、現在の英語の辞書はこうした職業としての意味を載せていません。
人名 "Scarlet"
色名と同じ綴りの人名 "Scarlet" は、人名 "Scarlett" の語末 "t" が落ちて、あるいは色名 "scarlet" からダイレクトに生じました。