"the another" の意味を知りた~い!

質問: "the another" とは、どういう意味ですか?

回答: 「もう一方の(もの)」や「別の(もの)」という意味だと思われますが、正しい英語ではありません

どう正しくないのか、正しくするにはどうすれば良いのか? それを以下で説明します。

1. "the another" が正しくない理由

"another" は「an + other」にほかなりません。

したがって、"the another" は "the an other" と言っているのと同じです。

2つの冠詞(この話の場合だと "the" と "an")を同時には使えないので、すでに "an" が使われている "another" に "the" は使えません。

2. "the another" は常に間違い

("another" と同様に)"the another" は形容詞(限定詞)または代名詞として使われますが、どちらの "the another" も間違いです。

形容詞の "the another"

"the another" を「もう一方の~、別の~」の意味で使うとき、その "the another" は形容詞(限定詞)です。

例えば「もう一方の犬」を意味する "the another dog"。 この "the another" は形容詞です。 そして、この "the another" は英語として間違った表現です。

代名詞の "the another"

"the another" を「もう一方のもの、別のもの」という意味で使うとき、その "the another" は代名詞です。

代名詞は主語目的語として使われます。 例えば、次の文では "the another" が主語です:

The another is mine.
その別のものは私のだ

上記の文は "the another" の部分が間違いです。

3. ではどうすれば?

それでは、自分が "the another" を使いたいと思う場面でどうすれば良いのでしょうか?

お答えしましょう。 例えば "the another plan(別の計画)" であれば、次のいずれかの方法で修正します:

  1. "another" を "other" に変える → the other plan
  2. "the" を除去する → another plan

どちらも「別の計画」という意味ですが、

  • 1は、選択肢として残っている計画が1つしかない状況で「別の計画」という意味です。
  • 2は、選択肢として残っている計画が(そもそもそれにしようと考えていた計画を除いて)2つ以上ある状況で「別の計画」という意味です。

上記の違いはそのまま、"another" と "the other" の違いです。 残りの選択肢が複数存在するうちの1つを指し示すのが "another" で、残りの1つだけ限定されている選択肢を指し示すのが "the other" です。

選択の余地があるときの「別の」が "another" で、選択の余地がないときの「別の」が "the other" です。
"the another" が代名詞として使われている場合の解決策も上記と同じで、"another" か "the other" に置き換えます。 "another" にも "the other" にも、代名詞としての意味もあります。

4. "another" と "the other" の使い分けの例え話

例えば、2人組の泥棒が有名な宝石を狙って富豪の邸宅に侵入したとします。 泥棒たちは、その宝石が他の4つの宝石と共に富豪の邸宅に隠されている(宝石が全部で5つである)ことを知っています。 そんな状況で:

  • 3つの宝石が見つかったが、どれも目当ての宝石ではなく「もう1つ宝石を見つけるんだ(次に見つかるのこそ目当ての宝石かもしれない)」という場合の泥棒のセリフにふさわしいのは "Find another gem." です。
  • 宝石を4つ見つけたのに、そのどれも目当ての宝石ではなく、隠された宝石が残り1つだけという場合に、泥棒のセリフにふさわしいのは "Find the other gem." です。
  • ちなみに、宝石を1つ~3つ見つけた時点で、「とにかく残りの宝石(2つ~4つ)を全部見つけるんだ」という場合には、"Find the other gems." と言います。 この "the other" の "the" は「残り全部」を意味します。
  • さらにちなみに、「泥棒の1人がもう1人に」というときの「もう1人(の泥棒)」は英語で "the other (thief)" です。 泥棒が2人しかいない状況で「1人とは別のもう1人」と言うと必然的に「残る1人」だからです。

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